逢魔時に遭遇

散り始めの桜と地面を覆う春の草花を眺めながら、公園をふたりと一匹で歩いていた時のことです。

数メートル先を人影が横切りました。

横切ったというよりも、そこにあったものが急に動いたという風に。







 

 

 

 

 

 

やがて、人影から人へと姿を明確にしたそれは30代後半~40代と思しき男性でした。

男性は路肩に留めてあった車にいそいそと乗り込んでいきました。

丁度ロージーがクンクンタイムで立ち止まってくれたので、私も、恐らく同時に疑惑の念を抱いていたのであろう娘も、男性の一連の動きをまじろぎもせず見ておりました。









 

 

 

 

 

明らかに挙動不審でした。









 

 

 

 

 

男性が佇んでいたと思われる場所の数メートル先には、小学校低学年くらいの年端の女の子がふたり、並んで座ってお喋りに興じておりました。

点と点が繋がった気がしました。








 

 

 

 

 

 

昼から夜へとグラデーションを描く、逢魔が時ともよばれる時間は、魔に遭遇する確率が高いという謂れがあります。

思えば子供の頃に幾度か目にしたリアルガチ変なおじさん(亡き志村けんさんが演じていた愛嬌溢れる変なおじさんとは異なる、所謂変質者及び不審者と称される類)が徘徊してたのもこの時間帯でした。


学校や家から飛び出した子供たちが無防備にはしゃぎまわり、魔にとっては好都合な条件がそろう、より魔がさす時間とでもいうのでしょうか。







 

 

 


小学校の役員を担っていた時、わんこを飼われている方はこの時間帯にお散歩をしてもらえると犯罪の抑止になるのだと慣例のように謳っておりましたが、それをまざまざと実感した日でした。







 

 

 

 

 

 

今回、惜しむらくはスマホを持たずに家をでてしまったこと。

スマホを持っていればいざという時の証拠どりにもなりますし、すぐに連絡もできるので、必ず持って出ようと心した次第です。



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