歌はいいねぇ
タイトルは新世紀エヴァンゲリオンの花形キャラ・渚カヲル君の台詞ですが、このカヲル君と、鬼滅の刃で煉獄さんと死闘を繰り広げる猗窩座が同じ声優さんだと聞き及び驚きました。
百花繚乱の季節を薫風に吹かれながら歩いていると、目にする花々にまつわる歌が自然に口をついてでます。
思い入れ深い桜ソングは数あれど、近所の木蓮が盛りだった頃には有名なあの歌を。
なんかイラッとくるんだよね。
カラオケで歌う弟が妙に鼻につくのだと妹から聞いて以来、哀切な旋律の背景に、悦に入った弟の顔が浮かんでしまうようになり困っております。
弟とはその昔、一緒にバンド活動に興じておりました。
浜田省吾さんとブルース・スプリングスティーンのコピーバンドでした。
私が所属していたバンドのドラムスが兼任で歌っているC-C-B的な状況だったので、ボーカリストが欲しいねということになり、ハマショー好きで声が大きく、人前で歌う事に抵抗がなかった(むしろ大好き)弟に白羽の矢が立ったという訳です。
バンドは私が結婚するまで続きました。
海沿いの町でエアコン知らずの夏をすごしていた私にとって、初めて迎える嫁ぎ先の夏は脅威の暑さでした。
ましてやその年は例年にない猛暑、新居にエアコンを設置しようにも1~2ヶ月待ちの状態で、仕方なく予約はしたものの、工事はお盆すぎになると言われ、うだるような暑さをもはや温風器と化した扇風機でやりすごしていたところに弟から電話が。
元気かと聞くのでただただ暑いと。何か欲しいものはあるかというのでエアコンと間髪入れず答えました。
それから幾日かして、現金書留が届きました。
差出人は弟でした。
エアコンを買ってくれという手紙と共に、エアコンが3台くらい買えそうな大金が同封されていました。
就職して初めて手にする賞与だったでしょうに。
憧れのGTRのステッカーを貼っていたGTSーTのローンだってあったでしょうに…。
軽はずみなことを言うのではなかったと悔恨を嚙み締めつつ、不肖の姉を思う弟の真心にこみあげるものがありました。
そして、桜と入れ違いに春を彩るハナミズキの向こう側に木蓮の涙を歌うドヤ顔を思い描いては、痴漢に遭ったとぼやけば雨の日も風の日も虫の居所が悪くてふてくされてる日も、毎日バス亭まで迎えに来てくれた弟と、弟一家の幸せが100年続きますようにと願ってやみません。
先日、初めてオンラインコンサートというものを体験致しました。
鑑賞したコンサートは鬼滅の刃のオーケストラです。
チケットを買うとコンサート開始と同時に有効になるURLが発行されて、一定期間中は見放題というシステムです。
聊か臨場感には欠けますが、移動の手間と混雑とドレスコードの煩わしさがないのは楽でいいです。
映像や音響の設備に拘れば、自宅でも充実した生の音を楽しめそうです。
鬼滅の刃を知って以来、藤棚を仰げばどこからともなく聞こえてくるお馴染みの曲。
鬼登場シーンで必ずと言っていいほど流れるあのテーマ曲と竈門炭次郎の歌を歌われている方が同一人物だとはこれまたびっくり。
実のところは鬼を一切寄せ付けない藤の花こそが最強の柱ではないかと思う今日この頃、派手柱ならぬ音柱の宇随さん中心に物語が展開する遊郭編の放映がとても楽しみです。