でなきゃ〇〇じゃん?
コロナ禍にあっての開催には賛否両論あった東京五輪でしたが、檜舞台を夢見て辛く険しい鍛錬の日々を積み重ねてきたのであろうアスリートの方々にはたくさんの元気を戴きました。
王道競技はもとより、新種目であるスケートボードやサーフィンも良い意味で先入観を打ち砕かれ、競技性と芸術性両方を兼ね備えた一幕のショーを見るが如しでした。
昔、とある願掛けのために不動明王を祀るお寺を幾度か訪ねたことがありました。
不動明王のあのすごみのきいた形相は闘争心の現れであり敵をすくませるためのものと自己解釈しておりましたが、実のところは煩悩の海で溺れ藻掻く者たちにむけられた壮絶なまでの慈恩の表情なのだと知り、いたく感銘を受けたものでした。
観戦しているこちらも思わずピンと背筋が伸びてしまう空手の形の演武には、それと同じようなものを見たような気がします。
スマホのアラーム音を桑田佳祐さんのSMILE~晴れ渡る空のように~にしました。
民放の五輪のテーマ曲です。
澄み切った夏の空を思わせるようなメロディーと、この時世にあってさまざまなものと戦っているすべてのひとたちに寄り添い語りかけるような歌詞と、でなきゃ〇〇じゃん?と、絶妙に韻を踏む桑田節に、グータラJAPANですらもうんうんそうだよねと頷いてしまうのです。
アラーム音といえば、東京で友人と暮らしていたとき、彼女が目覚ましのアラームとしてチョイスしてたのはTM NETWORKのBEYOND THE TIME~メビウスの宇宙を越えて~という曲でした。
選曲の理由を問えば、布団から出たくない己を鼓舞するためだと。
でなきゃ起きないじゃん?
というようなことをしかつめらしい顔で語っておりました。
狭い六畳間に2人床を並べて寝ていたので、毎朝あの重厚なストリングスで跳ね起きては、メビウスの宇宙を越えて死闘を繰り広げなければならぬような焦燥感に駆られながら満員電車に飛び乗っていた遠い日の夏からBEYOND THE TIMEの今、
でなきゃ〇〇じゃん?
とゴン攻めしたところで
別に〇〇じゃなくてもいい。
とすかし技で返してくる我が家の面々には、パラリンピックが終わるまでビッタビタの手抜き飯でフォール勝ちを狙いたいと思います。