昼も夜も
この季節は夜のお散歩は極力控えたいところですが、毎晩夕飯後に儚げな空気を纏いつつ寂しい目を向けるロージーに負けては夜に駆け出していく夫です。
初めて聴いた日から娘と私の心を奪ったYOASOBIさんの夜に駆ける。
軽快なテンポと明るいメロディーラインに乗ったテーマは意表を突いて重く深く、気が付けば口ずさんでいるといった中毒性と表裏一体な魅力があります。
絶妙に韻を踏んだ歌詞に絡むピアノのアルペジオがこれまた独創的で、鍵盤の上を思い通りに指が駆ける幻想を抱いては弾けないオチに堕ちていきます。
時代の最先端を駆けるものはそれなりの理由があるのだとしみじみ思いながら。
前回、沈むように溶けていくようにメタボの世界へ駆け出していくロージーと夫をあますことなく描いた私も、いつの頃からか疲労とストレスと脂肪は蓄積される一方で、燃焼に長い年月を要するようになりました。
このままではわがままどころか傲慢ボディになってしまうと危機感を覚え、『夜に駆ける』に掛けたRIZAP監修のダンスプログラムの動画を、バターとシロップをふんだんにしみこませたホットケーキを頬張りながら眺めております。
しかし、ダンスとなるとハードルが棒高跳びのバー並みになるので、曲に合わせてトレッドミルで歩いてみることに。
フィギュアスケートのロシア選手の愛犬が上手にトレッドミルの上を駆けているのは“鉄の女”こと鬼コーチのなせる業なのでしょうか?
これなら続きそうです。
ひと汗かいた夜、デートから帰宅した娘が差し出した袋を手に取れば、彼氏から戴いたという可愛らしいお菓子が、私をバッドエンドへと誘います。
そして、沈むように溶けていくように