毛深い理由
ロージーの尻尾の先端は毛が密集しています。
先端に向かって渦を巻いてます。
プードルの尻尾は実は長いのだという衝撃の事実を娘から聞いて初めて知りました。
必死に補おうと生い繁ったのでしょうか。
失ったものを。
避妊手術痕周辺も若干産毛が濃くなってきたように思います。
必死に守ろうとしているのでしょうか。
その傷跡を。
お腹は月に一度のトリミングの際にバリカンで刈られてますが、お腹を壊しがちだった時はお尻だけはやたらマメに刈られていたせいか、モフモフの密度がアップしている感じがします。
必死に覆い隠そうとしてるのでしょうか。
デリケートゾーンだけに。
心臓に毛が生えるという喩えも、ムダ毛を処理するとより濃い毛が生えてくるといういわれからも、崇高な志のもとにせっせと生え育つのかと思えば、忌々しいムダ毛すらも健気でいじらしくみえてきます。
ムダなんて言えなくなってしまいます。
怪我や外科手術痕周辺の皮膚も以前よりぶ厚く修復される理由も、心のそれも同じように。
血潮がとめどなく流れ出る傷口も、時間や美味しいものや楽しいことや友達の思いやりなんかがいつの間にか塞いでくれます。
よく頑張って生き延びた。
そう自分で自分を労って痛みをやりすごす手もあります。
少し前に『逃げるは恥だが役に立つ』というドラマが流行りましたが、健全な心身が引き換えになってしまうような仕事や学業や人間関係なら、『逃げ恥』ならぬ『逃げ勝』です。
怪しい自己啓発ブログみたいになっておりますが、大きな悲しみを抱えて600kmの彼方から我が家の傍に引っ越してきた妹に今思うことでもあります。
遠い昔、
私はあなたの味方だから、そんなにトゲトゲしなくていいんだよ。
と、話しかけているとトゲがなくなるという話に絆されて、サボテンを育ててみたことがありますが一向にトゲトゲのままでした。
毎朝毎夕、張り付いたような笑みでのぞき込む私の心に澱むものをサボテンは見抜いていたのだと思います。
どうしたらサボテンにバレない信じてもらえるのでしょうか。
その時点で既に無理なのでしょう。
ロージーならサボテンのトゲも、妹の心に根深く突き刺さっているものも、消し去ることができるかもしれません。
ふわふわの毛を纏った無垢で一途な魂ならきっと。
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